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加齢黄斑変性の症状は、
視野の中央がよく見えない、ゆがむ、暗く見える、などです。
最初は片方の眼に起きて程度も軽いために、患者さん本人は年のせいにして見過ごしていることも少なくありません。
しかし、徐々に、病型によっては急速に、視力が低下してしまいます。
通常、中央以外の視野は保たれ全く光を失ってしまうことはまれですが、見たいところが見えず読みたい文字が読めないという、
とても不便な状態になってしまいます。
欧米では中途失明原因のトップが加齢黄斑変性です。
日本でも増えていて、2004年には身体障害者手帳の取得原因の4位になっています。
ちなみに日本の1位は緑内障です。
加齢性黄斑変性症とは、網膜(カメラのフィルムにあたる組織)の黄斑〈おうはん〉という物を見る中心部のところに異常な老化現象が起こり、物が歪んで見えたり、物の中心が暗くみえたり、視力が低下してくる病気です。
ひどくなると失明することもあります。
欧米では失明原因の第一位です。
黄斑は網膜のほぼ中央にあり、ほかの部分の網膜に比べて視機能が格段によく、物を見る要の部分です。
新聞を読むとき、読み取る文字は常に視野の中央の黄斑で読まれていて、そこから数文字でも外れたところにある文字は、相当読みづらいものです。
黄斑の中央、直径約0.2 ~0.35mmにあたる中心窩〈ちゅうしんか〉は、とくに視機能が鋭敏な一点です。
視力検査でいう「視力」とは、中心窩の視力のことです。
眼底の病気の治療は、この中心窩の機能をどれだけ回復・維持できるかが大きなポイントです。