緑内障の初期は自覚症状は全くありません
緑内障の初期は自覚症状は全くありませんし、視野の異常もある程度進行するまで患者さん本人は自覚できませんから、検査で病状を確認する必要があります。
眼圧測定
角膜に空気やセンサーを当てて眼球の固さ(眼圧)を測定します。
正常値は10~21mmHgですが、緑内障の場合21mmHg未満なら問題ないというわけではなく、視神経乳頭の陥凹の進行が停止するレベルまで下げるように治療します。
眼圧は季節や時間帯などによって変動し、緑内障の人は変動の幅が大きいことも知られています。
隅角検査
眼圧が高いとわかったときに、その原因を調べる検査で、隅角の状態を調べ、隅角が十分に広ければ開放隅角緑内障、狭ければ閉塞隅角緑内障です。
眼底検査
視神経乳頭の陥凹を、直接確認する検査です。
視神経乳頭の変化は視野の異常よりも先に現われますので、緑内障の早期発見、とくに眼圧に変化が現われない正常眼圧緑内障の診断に、威力を発揮します。
緑内障の眼底検査
眼底写真を撮り、視神経乳頭の陥凹部が拡大していないかなどを調べます。
正常の場合(Aの写真)、乳頭径を1とした場合、
陥凹部(視神経乳頭の中の白っぽく見える部分)の径は約0.5~0.6です。
B(1) | B(2) | B(3) |
B(4) | B(5) | |
緑内障(Bの写真)だとこれが拡大し、B-(1)に近づいていきます。
視野異常の最も多い進行パターン
(1)は異常が現われていない段階の視野です
(黒い部分は健康な人にも存在する盲点)。
病気の進行とともに、
視野の中心部を迂回して見えない範囲が広がっていきます。
この例は左目の視野ですが、反対の目の視野異常も、これを左右対称にしたかたちで、ほぼ同時に進行します。